この理由をお伝えするには、少し私の背景に触れる必要があります。
大学を卒業したとき、周囲の多くは総合病院へ進みました。
それが一般的なルートでした。
けれど私は、最初から関節専門のクリニックを選びました。
大学の教授からは反対もありました。
それでも、私の中には
「もっと深く探究したい」という気持ちがありました。
多くの人の悩みには、必ず“いちばん強い困りごと”があります。
広く浅くでは、目の前の人の確かな悩みを解決できないのではないか。
もし私の専門外であれば、
自信をもって他のプロフェッショナルを紹介する。
そのほうが、結果として質の高いサポートができる。
そう考えての選択でした。
実際に働き始めると、患者さんの9割が女性でした。
多かったのは、股関節や膝関節の疾患。
関節が壊れてしまう背景には、遺伝的要因や薬剤の影響などもあります。
けれど臨床を重ねる中で、私はあることに気づきました。
多くの場合、
「正しい身体の使い方を知らないまま、
長い時間をかけて関節に負担をかけ続けている」ということ。
痛みがあるのに、
その部位に負担がかかる動きを繰り返している。
悪気があるわけではありません。
ただ、知らないだけなのです。
そこで私は、もっと広い視点で考えるようになりました。
「この70歳の方は、
30歳の頃、こんな未来を想像していただろうか?」
おそらく、多くの方が“ノー”と答えるのではないでしょうか。
けれど、姿勢や体型に悩んだ経験はあったかもしれない。
ライフステージが変われば、悩みも変わります。
産後はお腹のたるみ。
デスクワークが続けば肩の張り。
私たちの身体の悩みは、
その時々で姿を変えます。
でももし、
その都度きちんと身体に向き合い続けていたら。
年齢を重ねても、
当たり前に動ける身体を守ることはできるのではないか。
整形外科での10年間で得た経験、技術、知識。
それらを通して、
人の身体に“変化”を起こせるようになった今。
私は思います。
身体が整うことは、
その人の人生を整えることにつながるのだと。
だから私は、
多くの人の身体に向き合い続けています。
それが、私の理由です。
そして身体の変化を通して、自分の身体を信頼できる人が増えてほしい。
年齢やライフステージが変わっても、自分の身体と前向きに付き合っていける人が増えてほしい。
それが私の原動力です。

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